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カウントダウンタイマー

サンウルブズ最終戦を観て

予想外の結果であった。ニュージーランド・アルゼンチン遠征から帰ってから以降のサンウルブズは観るたびに期待できないチームになっていっていた。原因は何か?長距離遠征による疲労、メンバーが固定しないことからくるチームワーク・コミュニケーションの低下、各自のフィットネスの低下などいくつか考えられる。第16節のストーマーズ戦の前半は改善が見られたが、最後まで続かなかった。そして第17節最終戦。オールブラックスキャップホルダーを何人も含むブルーズに快勝した。それもいつも息切れしてしまう後半に6トライも奪い、後半は相手を0点に抑える見事な内容だった。秩父宮は灼熱の世界であったと思われるが多くのファンが歓喜した。もちろん選手もスタッフも。『終わりよければすべて良し』ということわざがあるが、まさに今までの不甲斐なさを吹き飛ばしてくれた試合だった。
来シーズンにつなげる結果に関係者は安堵したことだろう。しかし今回の快勝劇はいくつかの幸運がサンウルブズにあったことも見逃してはならない。キックオフ早々の攻防はいつものサンウルブズとあまり変わらなかった。ブルーズにあっという間に2トライ連取されたあたりまでは「またか!」と思わせた。状況が変わったのはブルーズの足が止まってきたからだ。内田がトライを返したところで“サンウルブズに勝機あり”が現実味を帯びてきた。ブルーズは同じニュージーランドカンファレンスの中でも他のチームとは明らかに違っていた。サンウルブズは後半に入ってからも足はよく動き、動きの鈍くなった相手のアタックをことごとく止めていた。ブルーズは暑さでバテ気味の中、ミスが目立つようになる。サンウルブズはブレークダウンでターンオーバーを連発する。ここでサンウルブズのキック戦法が相手を更に疲れさす。ブルーズのスクラムはまったく元気がなかった。サンウルブズ茂野のトライで10点差がついたあたりからブルーズはメンタル的にも落ちているようだった。対するサンウルブズは勢いづき、畳み掛ける攻撃でトライを量産、ノーサイドを迎えた。猛暑の中でも集中力を切らさず、自分たちのプレーをしたサンウルブズの勝利だった。8トライは暑さを味方につけた結果であったと思う。相手がこの暑さで7割?ほどの力に落ちていなければこのような試合にはならなかったであろう。しかし、低迷していたチームを立て直し、ホームでファンに最高のプレゼントをしてくれた選手、スタッフにはこの上ない敬意を表したい。