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魔法のやかん

ラグビー やかん

今は見なくなりましたが、1990年代までは日本のラグビーの試合におおきな黄金色のやかんはつきものでした。倒れた選手にやかんの水をかけると選手はすくっと立ち上がりまたプレーに戻っていきました。中身はただの水なのに。
現在は頭を打って倒れた選手は一旦グランドを出てドクターチェックを受けるようになりました。その間プレーは代わりの選手によって続行されます。やかんの水を顔にかけるだけのような乱暴な対応は姿を消しました。
これは選手の安全面への考慮から行われるようになったものですが、そもそも以前はラグビーの選手交代は選手が怪我をしてプレーの続行が無理と判断された場合に限り認められていました。そのためリザーブ選手はいましたがめったに試合には出られませんでした。従って現在のように“先発”という言葉もありませんでした。
出場した選手は80分間戦い抜く気持ちをもって試合に臨んでいました。なので脳震盪を起こして意識を失っても、やかんの水をかけられて意識が戻れば何も疑問を持たず戦列に復帰していました。この行為は現在では危険なものであり、もし脳震盪であれば軽度でもすぐにまた繰り返してしまうと命にもかかわることがあります。
“魔法のやかん”は往年のラグビー選手やファンにとっては“なつかしい”、“ありがたい(?)”ものでしたが、姿を消してくれたことが選手を救ったと言えるかもしれません。