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日本代表のラグビー

「プレーの見方」の“F=mα”のところでも説明していますが、ラグビーは身体が大きくてパワーがある選手が有利に働くスポーツです。
従って、各国とも代表チームにはできるだけを大きな選手を揃えるようにしています(⇒体格で相手を上回ろうとします)。
しかし、ご承知のように日本人は世界的にみて体格的に小さいため、例え外国人選手(あるいは外国出身の選手)を入れたとしても、
チーム全体(15人)としては見劣りしてしまいます(⇒体格で相手を上回るチームを編成することはほとんど不可)。
そこで日本代表は、体格が他国代表より劣ることを前提として、それをカバーして戦う方法を採用してきています。
主なものを上げると、

 

1、スクラム、ラインアウトなどのセットプレーを減らす
  スクラムは体重が重い方が有利なプレーであり、ラインアウトは身長が高い方が有利なプレーです。
 従って、ノッコンなどの軽微な反則をしない(⇒スクラムの場面を作らない)、ボールをできるだけタッチに出さない(ラインアウトの場面を作らない)などを念頭においたプレーを選択します。

 

2、80分間疲れることなく走り回れるフィットネス
  ラグビーは激しいスポーツなので、80分間ずっと全力で動き続けるのは難しいスポーツです。反則が起きたときや、怪我をした選手の対応をしているとき、得点をしたときなどはプレーが止まり、
少しの間休むことができます。とはいえ、ラスト20分などは体力的に辛い時間帯であり、日本代表としては、そこでもそれまでと変わらないパフォーマンスを発揮して、相手選手の足が止まったところで得点しようとしています。しかしそのためには選手ひとりひとりが高いフィットネスを身につける必要があり、ハードルはかなり高いものとなりますが体格が劣る日本代表にとっては最大の武器となります。

 

3、ボールインプレーを長くする
 前述の2の高いフィットネスを活かす戦術です。反則やタッチキックなどで試合の流れを断ち切らず、プレーの継続時間を増やすというものです。インプレー時間が長くなれば選手はだんだんきつくなります。従ってフィットネスの高いチームの方が試合を有利に進めやすくなります。また、インプレーの長いラグビーの方が見ていて魅力的なものになります。

 

4、寝ている(タックルなどで倒れている)選手の時間を短くする(倒れたらすぐに起き上がる)
 タックルしたり、されたりすることで選手はグラウンドに倒れます。ラグビーでは膝をついたらボールを放さなければなりません。つまり倒れた状態ではプレーに参加できなくなります。
この状態の選手が多くなれば、プレーしている選手が少なくなり、攻撃においても防御においても不利になります。従って、ある時点で同時に倒れている選手を極力少なくすることで、数的有利を作り出すことができます。そのために選手は、倒れたらすぐに起き上がってプレーをするようにします。これも高いフィットネスにより実現可能となる戦略です。

 

これらに加えて現在の代表は以下も加えています。
5、トランジット(攻守の切り替え)をどこよりも早くする
 ラグビーは攻撃の時の陣形と防御のときの陣形は異なります。攻撃の時の陣形は守りには弱いものになります。ラグビーではこの攻守の切り替えを瞬時に判断して行うことが重要で、少しでも遅れると相手に大きくゲインされてしまいます。日本代表としてはこの切り替えスピードをどこの国よりも早く行って、相手の防御の隙をつく、あるいは素早く防御ラインを敷いて相手の攻撃を食い止めることを強みにしようとしています。