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カウントダウンタイマー

PNCの日本代表からワールドカップを占う

今年のパシフィックネーションズカップ(PNC)で日本は安定した強さを発揮して全勝優勝した。
その中には格上のフィジーからの勝利もあった。トライ数はフィジー戦5トライ、トンガ戦5トライ、アメリカ戦4トライと高い得点力である。
とられたトライもフィジー戦2トライ、トンガ戦1トライ、アメリカ戦2トライと悪くない。
そしてこの3試合すべて日本のリードで始まり、最後まで追い付かれることがなかった。
ゴールキックもほぼすべて決めている。
この3チームはどれもフィジカルの強いチームであり、それらすべてと激しい当たりで互角以上に渡り合えたことは、
日本のフィジカル、そしてフィットネスが世界レベルになっていることも示した。
ワールドカップに向けて仕上がりが順調にいっていると言っていいだろう。
世界ランキングも過去最高(タイ)の9位になった。
次のワールドカップ前の最後のテストマッチである南アフリカ戦で格上に対してどこまでやれるかが示されるだろう。
ここで勝てないまでも互角に渡り合える試合がてきれば、決勝トーナメント進出は現実味を帯びてくる。
但し、相手が格上の場合、トンガ戦、アメリカ戦で頻発していた、攻めこんでいながらの反則を多発させてしてしまうと勝つことは難しくなる。前回のワールドカップでは日本は参加国中最も反則が少なかった。それで3勝できた。反則の多さは命取りになりかねないので、この部分の改善が求められる。
また、スクラムも決して安定しているとは言えない。プロップに故障者が多く出てしまったことも理由かもしれないが、前回のワールドカップでは日本はスクラムを武器にして戦えた。今回は武器にできるほどの強さは見られない。ワールドカップまでにどこまで強化できるかが気になる。
一方、ディフェンスは飛躍的に良くなった。ダブルタックルがしっかり機能している。PNCでは相手にディフェンスの裏に出られる場面はほとんどなかったように思う。このディフェンスが格上にどれだけ通じるのかが次の南アフリカ戦でわかるだろう。
また、相手チームの状況をみて戦術を柔軟に変えて戦えるようになったのは今までの日本代表にはなかった点である。相手の強みを消して弱いところをつく戦いができるようになった。フィジー戦では最初はキックを多く使う戦術を予定していたが、それが危険だと感じると、ボールをキープしてパスでつなぐプランに変えた。トンガ戦では相手のラインアウトが安定しないとみると、キックでタッチに出す戦術に変えた。それをチーム全員で共有できるのである。
選手層も厚くなり、ポジション争いが激しいこともチーム力アップにつながっているようだ。
過去PNCで優勝してもワールドカップでは散々の成績だったので、今回は本物の実力をつけてワールドカップでもいい成績を残してもらいたい。各選手の意識をみていると今回は期待していいと思う。ワールドカップ(アイルランド戦かスコットランド戦)にうまくピークを持っていけるだろう。