フランス戦をみて
日本代表の今秋の最終戦、格上(ランキング8位)のフランス代表にアウェイの中、23―23のドロー。
現在の日本代表の実力を示せた試合内容であった。トライの数も3-2で上回った。
アタックでは無用なキックは封印し、パスでボールをキープし続けた。そして拮抗した試合にできた最大の理由は新しいディフェンスがしっかり機能したことだ。最後まで緊張感をもって早く激しいタックルを繰り返した。2人目、3人目の寄りも早かった。ブレイクダウンもフランスが人数をかけてこなかったこともあるが、日本のテンポでボールを出し続けることができた。流の先発起用はうまくはまった。ハンドリングエラーもほとんどなく、終始日本のペースで試合を運ぶことができた。セットプレーでも上背がない(相手は190cm以上が数人いるが日本は真壁ひとり)にも関わらず、マイボールの大半を確保した。心配されたスクラムでも大きく崩される場面はほとんどなかった。
前後半とも試合の入りがよく、後半から巻き返しを図ってくるだろうフランスに対し、後半開始直後にラフェエレがノーホイッスルトライで相手の出鼻をくじいた。フランスもさすがと言わせるプレーで2つのトライをとったが、最後まであまりいいところを見せれなかった。今回は2015年W杯の南アフリカ戦のように得点はシーソーゲームとなった。日本代表は落ち着いており、ディシプリンも守れていた。こういう試合は見ごたえがあり、格上に対して日本が“勝てるかもしれない”という期待を抱かせる。最後の最後まで手に汗握る興奮した試合を見せてもらえた。
トンガ戦に続き、日本代表のベーシックな力は確実に上がってきているのが確認できた。そして何よりもW杯に向けて選手には大きな自信になったに違いない。
しかしながら、同じ日に行われたオーストラリア対スコットランド戦ではスコットランドが53-24で勝っている。アイルランド(ランキング4位)とスコットランドのどちらかに勝たないとベスト8進出はできない。ジョセフ・ジャパンの今後の更なる成長を期待したい。
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