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トップリーグ第10節は大盛り上がり!

この週末のトップリーグは中身の濃いいゲームが多かった。ウィンドウマンスの間、それまでのチームの課題を修正し、残り試合はどこも負けられない、という気持ちが表れ、好ゲームが多かった。とくに神戸製鋼対NTTコミュニケーションの試合と、ヤマハ発動機対東芝の試合は最後までどちらが勝つか手に汗握る試合であった。レッドカンファレンス2位の神戸製鋼は同5位のNTTコミュニケーションに最後の最後で同点に追いつかれてドロー。レッドカンファレンス4位の東芝はホワイトカンファレンス2位のヤマハ発動機に終盤追い上げられたが逃げ切って5連勝。日本選手権出場に臨みをつないだ。レッドカンファレンス3位だったトヨタ自動車が勝ったため順位はトヨタが2位に浮上し、神戸は3位に落ちた。ヤマハも3位のリコーに7勝3敗で並ばれ、勝ち点差で2位をキープしている。
この週末で最も見ごたえのあった試合はヤマハ発動機対東芝であろう。
ヤマハも東芝も強力FWを売りにするチームであり、パワフルなガチンコ勝負が期待された。それを象徴するスクラム戦は両者譲らずのほぼ互角の戦い。ヤマハが勝ったときはヤマハFWが雄たけびを上げ、東芝FWが勝てば東芝FWが大喜びであった。ゴール前のラインアウウトモールはヤマハに軍配があがり、東芝はトライを奪われた。ラインアウトは東芝湯原のスローイングが真っ直ぐ入らずマイボールが確保できない場面が続いた。そんな中で気を吐いたのは、代表戦が終わったばかりで他の代表組みは今回の第10節には出場しない選手がほとんどの中、ひとり先発フル出場したリーチ・マイケルである。前半はSH藤原のトライをアシスト。激しい当たりで度々ラインブレイクするわ、ブレイクダウンでは誰よりも激しいプレーをした。一方BKに目を移せば、ヤマハのラインアタックはパワーとスピードがあり、一度ボールをもつと東芝は度々手を焼いた。特にヤマハのヴィリアミ・タヒトゥアとマレ・サウの両センターは強力で東芝ディフェンスを度々突破した。今日の試合で東芝において大きな戦力になったのは2011年ラグビーワールドカップでニュージーランド優勝の立役者であった、スティーブン・ドナルドだ。彼のランとロングキックで今日の東芝は何度も救われた。まだ東芝に入って最初の公式戦だが、すっかりチームに溶け込み、SOとしてチームをリードしていた。そしてキャプテンのリチャード・カフィ。ピークを過ぎたとは言えまだまだ十分なスピードとパワーでチームを引っ張った。東芝の最初のトライは彼であり、強烈なタックルは何度もチャンスを作った。五郎丸を仰向けにしたタックルは強く印象に残る。このゲームのマン・オブ・ザ・マッチを受賞した。
東芝は終了間際に5点を追うヤマハの猛攻をしのぎ、リーチがヤマハのノットリリースザボールを誘ってノーサイド。東芝の選手はみな大喜びだった。それは今シーズン負け続きで思うようなラグビーができず低迷していたチームが、ヤマハという強豪チームを倒せるまで成長できたという達成感だったと思う。今日のヤマハは決して悪いできではなかった。会社の経営問題など暗いムードの中、ようやく東芝らしいゲームができたと思う。残り3試合、今後の東芝は間違えなく注目のチームである。