南アフリカ戦で何がわかったのか
南アフリカとの再戦は7-41の大敗となった。
この結果をどうみるか。
選手たちは対戦した実感(力の差)以上に点差が開いてしまったと言っている。
そして得点差の原因はプレイのディテール(細かいところ)の差であると。
試合当日は高温多湿で、汗でボールがすべりやすく、バテやすいところを考えて
南アフリカはキックを多用して陣地をとっていく戦術をとった。
SHデクラークが自陣から正確なボックスキックを蹴り、
素早いプレッシャーで日本のミスを誘い、効率的に陣地をとっていった。
ハイパントも背の低い松島のところを狙い、コンテスト(ボールの争奪戦)を優位に進めた。
ディフェンスでは密集に人数をかけず、防御ラインに人数をかけて日本の突破を許さなかった。
南アフリカのフィジカルの強さが十分に活かされていた。
結果、日本は南アフリカのゴール前に再三迫りながら、ゴールを割ることはできなかった。
逆に日本がゴールを背負ったときは、フィジカルで劣るため密集に人数をかけざるを得ない状況がうまれ、
空いたスペースに走りこまれた。
しかし、収穫もあった。
スクラムは安定し、南アフリカのフロントローの頭を上げさせる場面もいくつか見られ、
ワールドカップ本線でやはりフィジカルの強いアイルランドやスコットランドに通用することを証明した。
また、自陣ゴール前での南アフリカのモール攻撃を食い止めたことも大きな進歩といえよう。
ラインアウトも2m越えの選手が多い南アフリカを相手に互角に近い内容で、
スローインを失敗しなければ十分対抗できる。
気がかりなのは得点力。PGは意図的に狙わなかったようだが、1トライしか奪えなかった点は、
何が足りないのかを反省し、修正しなければならない。
前半は南アフリカ同様、キックで南アフリカを敗走させて疲れさせようとしたようだが、
それは相手のプレッシャーと反応の良さで思ったようにいかなかった。
後半、細かいパスつなぐプレーで相手の裏に出る場面が出始めていたので、キック戦法が通用しなければ
早めにパスプレーに戦法変更した方がよかったのではないだろうか。
南アフリカはフィジカルが強いだけではなく、正確なプレー、ミスをしない、反則をしないが徹底できていた。
アイルランド、スコットランドも同様なので、この壁を打ち壊す戦術、戦法を編み出す必要があるだろう。
あと、ハイパント処理で相手にボールを渡さないようにしないと、アイルランド、スコットランド戦でもここを責められるだろう。
本番まで残り2週間でどこまでやれるか。
南アフリカと試合をしていなければ、アイルランドとの試合で今回と同じような結果になっていたかもしれない。
それを2週間前に知ることができた。そこにどのような意味があるのか?
キャプテンのリーチは、「2週間あれば、十分修正できる。」と言っている。
実力ではまだ追いつけなくても、勝負で勝つことができればそれでいい。
ワールドカップだけは結果がすべてなのである。
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