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日本ラグビーの弱点

ラグビーワールドカップ日本開催まであと2年。ここまで見てきて2年後に日本が2015年並みの成績あるいはそれ以上の成績を上げるにはまだ課題が多い。そこで今回は今の日本代表が抱える問題点について考察したい。
ラグビーの特徴の最たるところとして上げられるのはやはり“フィジカル”。
身体つきをみればラグビー選手かどうかある程度判断がつくくらいである。
日本人のスポーツ選手の中ではラグビー選手は身体の大きな部類に入るが、世界においてみると日本人選手は小さい。そもそも日本人の体格は世界的にみても小さい部類だ。従ってラグビーに限らず多くのスポーツで日本人は身体的ハンディを負うことが多い。バレーボールやバスケットボールも身体的ハンディを負いながら世界と戦っている。中でもラグビーは身体的接触が多いスポーツなので、フィジカルの差はプレーに大きく影響する。過去日本代表が海外のチームと戦って勝てなかった試合の多くはこのフィジカルの差によるところが大きいと私は思っている。とくに僅差で敗れた試合については、フィジカルで互角であればほとんどが勝てていたのではないだろうか。近年ではストレングス・アンド・コンディショニング(S&C)への取り組みの向上もあって昔ほどのフィジカルの差はなくなってきている。しかしながら、やはり海外選手とのサイズの違いは歴然としており、この差を埋めるための努力は続けなければならない。今シーズンから神戸製鋼に入った元豪州代表のアダム・アシュリークーバーもこう言っていた。「日本のトップリーグはプレーが速い。そしてクォリティが高い。違いはコンタクト」つまり“コンタクトは弱い”ということ。海外のビッグネームがピークを過ぎてから日本にやってくる理由のひとつにあるのは、日本でプレーすれば現役を長く続けられる(ラグビープレーヤーとしてまだしばらく収入を得られる)からである。コンタクトの弱い日本であれば大きな怪我をするリスクが少ないということだ。ここが日本ラグビーのウィークポイントであることは明らかである。
スーパーラグビーに賛成するようになって、ストレングス・アンド・コンディショニング(S&C)が十分できていないように感じている。海外の強豪と体を合わせることで自分も合わせていける部分もあるとは思うが、じっくり身体づくりを行う時間も必要である。海外のトッププレーヤーたちはそれを行ってきている。日本の選手は彼らと同じことをしていては勝てない。元々の身体つきが違うのだから同じことをしていたら体が大きい方が有利に決まっている。だから日本の選手は彼ら以上の質と量のフィジカルトレーニングをしなければならない。
エディ・ジョーンズ時代はそれをやっていたと思う。今は選手の試合数が多くなり、試合のないときは身心を休めるためにだけ使われているようだ。対策としては出場試合とトレーニングを年間を通じて計画的に組みことだろう。もはやエディ時代のようにチーム単位ではできなくなっているようなので、専門コーチが選手ひとりひとりに個人メニューを組んで目標を達成させるようにするのがいいだろう。エディの時は体重の増量や食事制限も課せられていたので選手自身の自己管理能力も今まで以上に求められよう。もちろんフィジカルだけ強くしてもダメで、80分間動き続けられるフィットネスも必要だ。2015年ワールドカップ南アフリカ戦のジャパン戦士たちは相手を上回るフィットネスを身に着けていた。倒れてもすぐに立ち上がり、まったく足はとまらなかった。当時のキャプテン リーチ・マイケルは相手の動きがスローモーションに見えたというくらい日本は早く動けていた。残念ながら今のジョセフ・ジャパンにそこまでのフィットネスがあるようには見えない。戦術はもちろん重要だが、ラグビーというスポーツの根幹であるフィジカルがまずあって戦術もうまく機能する。残り2年でどこまで鍛え上げられるか。エディのような鬼コーチに“やらせられる”のではなく選手自らが取り組むべき課題だと思う。