スクラム組もうぜ!
ノックオンやスローフォワードなどの軽い反則や密集からボールが出ない場合などのときゲームの再開のために行われます。フォワードのプレーヤー8人が相手チームのフォワード8人と組み合って、スクラムの真ん中に投げ込まれたボールを押し合って奪い合います。
8人の体重と押す力(F=mα)が相手側にのしかかります。
TV放送を見ているとそのゲームで最初にスクラムを組むとき、両チームのフォワード8人の合計体重が表示されることが多いですが、これは総体重が重い方が有利である(F=mα)ため、両者の体重(体重差)がどのくらいあるか示し、またその圧力の大きさを伝えています。
ただ、実際のスクラムは体重とパワーだけで優劣が決まるわけではありません。スクラムを組んだ時に直接相手プレーヤーと接触する前列の3人(フロントロー)がいかにうまく有利に相手と組むかにかかっています。ここで自チームに有利な形で組めないと8人の押す力を無駄なく相手側に伝えられなくなります。
フロントローの背中が丸まってしまえば押す力は上方向に逃げてしまいますし、フロントローの頭が下がってしまうとスクラムはフロントローのところで潰れてしまいます。そのため少しでも有利な形で組めるよう、フロントローはスクラムを組む際に相手のフロントローと“駆け引き”をしています。
スクラムで優位に立てるとその後の味方のプレーに余裕が生まれます。余裕ができるとミスも少なくなります。攻撃の幅も広がります。反対にスクラムで劣勢になると、バックスへのパスは安定性を欠き、相手チームのバックローが自由に動けるためプレッシャーを受けやすくなります。そしてスクラムを崩してしまったり、スクラムを回転させてしまうと反則をとられます。
特に自陣ゴール前でのスクラムで押されてしまうとトライを奪われる確率が高まりますので、スクラムの劣勢は大きなハンデとなります。
このようにスクラムの攻防は、その後のプレーに与える影響が大きいので、観客までもが一喜一憂する重要なプレーのひとつなのです。
その他
- オフサイド
- トライはゴールポストを目指す
- 密集には名前がある
- タックルは勇気の象徴
- キックは4種類ある
- ラインアウトは空中戦
- ラグビーと規律
- キックは飛び道具
- ハイパントキャッチは勇気の勝負
- インターセプトは追いつけない
- レフリーは司会者
- ジャッカルは瞬間技
- F=mα
- セットプレーは攻撃のカナメ
- ラインアウトとモール
- オフロードパスは体幹の強さとボディバランス
- フェーズを重ねる
- フェアキャッチはピンチを救う
- ドロップアウトと5mスクラム
- 反則はレフリーのジェスチャーで
- ブレイクダウンの攻防
- ストラクチャーとアンストラクチャー
- うっかりオブストラクション
- HIAは選手を守る
- “スタッツ”はプレーの成績表
- タックルはひとつじゃない