マイナーチェンジはしばしば
ラグビーは他のスポーツに比べ、ルールの変更が頻繁に行われています。
それは、ラグビーをよりスピーディで魅力的にするため、そしてプレーヤーの怪我の防止などを目的としています。改定のポイントは主に3つ。
1.アタック側が有利になることで得点機会を増やし、見ていて楽しい試合を演出する
2.インプレーの時間を長くして(試合を途切れさせないようにして)、試合をよりダイナミックにする
3.プレーヤーの安全面の確保
今までの主なルールの改定は次の通りです。
対象 |
今まで |
現在 |
目的あるいは効果 |
---|---|---|---|
トライの得点 |
戦後からでは3点から始めり4点
*元々はトライには配点が無く「ゴールキックを蹴る権利」を得るための行為であった。その名残が“コンバージョンキック”。トライで取った得点がゴールが入ることでより高い得点に変換(コンバージョン)されるというもの |
5点 | ゴールキック(ペナルティゴールを含む)よりもトライをとることを重視 |
トライ後のコンバージョンキック | ボールをセットしてから60秒以内に蹴る | トライをとってから90秒以内に蹴る | 試合をよりスピーディーにする |
スクラム | 双方のフロントローが相手とタイミングを見計らって組む | レフリーのコールに従って組む | 公平かつ安全にスクラムを組む |
モール・ラック | 確保していつでも出せるボールをある程度保持していても可 |
明らかにボールが出せるとレフリーが判断したら“ユーズイット”とコールし、5秒で密集から出さなければならない |
密集で時間稼ぎをさせず試合をダイナミックに動かす |
ラインアウト | ラインアウトのジャンパーを持ち上げる(リフティング)と反則 | リフティングはOK | 身長差による影響が軽減 |
クイックスロー | スローインはゴールラインに平行 | スローインはゴールラインに平行より後方(自陣ゴール側)であれば可 | 試合の継続を確保 |
ペナルティ時のタッチキック | タッチを割った後のラインアウトは相手側のボール | タッチを割った後のラインアウトは蹴った側のボール | 攻撃側を有利にする |
選手の交代 | ケガなどでプレイの続行が困難と認められた場合のみ | 監督あるいはHCの判断でいつでも可能(リザーブの人数まで) | 元気な選手と入れ替えて攻撃的プレイを継続させる、選手寿命を延ばす(結果、戦術的交代となっている) |
そして、今回また新たな試験的ルールが施行されます。
【試験的ルールの開始日】
今回承認された試験実施ルールの適用は以下の日程。
・北半球:2017年8月1日
・南半球:2018年1月1日
【試験的ルールの実施理由】
今回の試験的ルールの実施理由は2つ
1. 競技のプレー、および、レフリングをするにあたりよりシンプルにすること
2. プレーヤーウェルフェアをさらに推進すること
【試験的ルールの内容】
試験的ルールとして実施されるルールは6つ
・スクラム:3
・タックル:1
・ブレイクダウン:1
・その他の反則:1
スクラム①
競技規則5 スクラムへのボールの投入、および、20.6 (d) スクラムハーフによるボール投入
・ボール投入の合図なし(レフリーからの合図はなし)
・ハーフの立ち位置
スクラムハーフはまっすぐにボールを投入しなければならないが、スクラム中央の線に自分の肩を合わせてよい。すなわち、スクラムハーフはスクラム中央の線から自分の肩の分、自陣よりに立つことが許される。
スクラム②
競技規則9(b) スクラムにおける、その他の制限
・No8は、LOの足下にあるボールを拾ってよい。
スクラム③
競技規則第20条 スローイン後に足でボールに触れること
・マイボールスクラムのチームは、足をかきボールをとりにいく。押すだけではNG。
タックル
競技規則の修正 4(c)
・タックル後は、立ち、自分のゲートからプレーする。
タックラーは、ボールをプレーする前に一度立ち上がらなければならず、またタックルゲートの自陣側からプレーしなければならない。
ブレイクダウン
競技規則のブレイクダウン修正 第16条「ラック」
・タックル後、「すぐ」手を使うことはOKだが、相手選手が到着したら「手」は使えない。
ラックは少なくとも一人のプレーヤーが、両足で地面にある(または、タックルされたの上、タックラーの上にある)ボールをまたがって立つことで開始される(この時点でオフサイドラインが形成される)。
両足で立ったプレーヤーは、すぐに行う限り、ボールを拾うことが許される。
敵のプレーヤーが到着した瞬間、手の使用はできなくなる。
その他の反則
競技規則4 その他の反則▼
・ラックのボールは蹴ってはいけない。後ろにかくだけ。
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