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プロ化が日本ラグビーを強くした

ラグビーは他のスポーツ(球技)に比べて永い間アマチュアリズムを貫いてきました。日本においてラグビーは学生スポーツの花形であり、早明戦は毎年6万人以上の観客を集めていたのです。しかし国際試合では体格と経験の差でまったく互角には戦えませんでした。当時の日本代表(全日本)は監督からスタッフ、選手にいたるまで全員日本のラグビー関係者で構成されており、選手も社会人と学生の差はあまりなく、多くの大学生が代表に選ばれていました。この状態が日本ラグビーにプロ化の波がくるまで続き、日本流の練習と戦術で戦ってきたのですが強豪国との差は一向に縮まりませんでした。
その後日本ラグビー界にも世界から少し遅れてプロ化の波が押し寄せ、トップリーグには海外のトッププレーヤーがどんどん入団するようになります。合わせてヘッドコーチやアシスタントコーチにも海外のトップチームで経験を積んだ外国人がプロ契約して日本ラグビーに参加するようになりました。
これにより、日本人プレーヤーは日本にいながら“世界”を体験する機会を得れるようになったのです。選手自身はアマチュア(社員や学生)でも、世界のトップレベルのプロフェッショナルたちから多くの“経験”や“知見”を得ることができるようになったのです。
日本のチームに外国人選手がちらほら見られるようになったころは、彼らの突進やすばらしいスキルがやたら目につくことが多かったのですが、今では以前よりもレベルの高い外国人プレーヤーが多くいるにも関わらず、相対的には以前ほどは目立たなくなってきていることは日本のプレーヤーのレベルも高くなったことを表していると思います。日本代表もヘッドコーチが外国人に代わってから海外勢に“力”でも対抗できるようになってきました。
一方、日本に比べて韓国や香港などの他のアジア諸国はプロ化の波にのれず、以前は互角に戦っていた日本に大きく水を開けられてしまいました。最近になって漸く韓国はヘッドコーチを海外から招へいして強化に取り組んでいます。香港は選手とプロ契約を結ぶようになり、2017年のアジアラグビーチャンピオンシップでは今までにない強さをみせました。
このようにラグビーのプロ化は人材の流動化を加速させ、強豪国との差を縮めてきています。
サンウルブズがスーパーラグビーに参加できるのも日本の完全プロチームができたからに他なりません。そういう意味でラグビーのプロ化は歓迎すべき出来事だったと思います。